2012年4月8日日曜日

リスク(年率、年額)について


水瀬ケンイチ様の梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー
で以下の興味深い記事があったので紹介&考察です。

長期投資でリスクは縮小するか」論争はもうやめよう 




この記事では、
「長期投資するなら、率で見ると運用は安定してくる。ただ、金額で見ると振れ幅は大きくなるので、投資額には注意しなくちゃな」という言葉で締めています。

その通り!

コメント欄にも書きましたが、さらに突っ込んで許容リスク(年額)を考慮したポートフォリオ設計があっても良いといえますし、実は暗黙にやっている人が多い手法なのかなと思っています。どちらにしてもリスク(年率)、リスク(年額)は別ものなので下記のようなあいまいな表現を用いた議論はすべきではないというのは同意ですね。仕様書で以下のようなあいまいな言葉を使ったら却下確実です。

「長期投資でリスクは縮小する」も正しいし、「長期投資でリスクは拡大する」も正しい。

もう少しあいまいさをなくすと
「長期投資でリスク(年率)は縮小する」も正しいし、「長期投資でリスク(年額)は拡大する」

さらに実績の情報を入れると、
期待リターン(年率)がリスク(年率)に対し十分大きい投資適格な資産に長期投資すれば、長期投資でリスク(年率)が縮小しする。その間リターン(年率)はプラスで推移し評価額は複利で増加するためリスク(年額)はより拡大する」でしょうか?

実績的に言えば多くの自国の株式指数がこの投資適格なものになります。日本の場合でも図5-1、2の期間においては、株式指数のリターンが1000%~4000%なので、長期投資リスク(年率)が縮小するが、リスク(年額)が拡大するというのが良く分かる良いグラフになったのではと思います。


イメージ図

一瞬リスク(年率)のブレが収束するのにリスク(年額)のブレが増加するのはおかしいと思うかもしれませんが、期待リターン(年率)がプラスでその複利で投資評価額がどーんと高くなるため時間が経過するとリターン(年率)のブレが小さくなるが、リスク(年額)のブレが大きくなるのではと私は推測しています。
積立投資の場合は、積立当初は、一括投資と比較してリスク(年率、年額)がともに小さくなりますが時間経過とともに括投資と同じ値に近づくが超えられないと推測されます。(私の単なるイメージです)つまり、個人投資家がドルコスト平均法による定額積立投資をする場合は、年を重ねるごとにどんどんリスク(年額)が拡大という状態になるので注意となりそうです。(当たり前ですが)

よって継続的にリスク(年率、年額)を把握してどちらかの値が許容値を超えそうなら追加投資を控えるなりリバランスするなりして対策する必要がありますね。良くある例が年齢=債券比率を目指すという方針ですね。許容リスク(年額)がある人にとってはすごく理にかなっている話だと思います。ポートフォリオは常に一定であるという必要はないのですから!

私は投資を始めて2年であり、積立投資によるリスク(年率)低減効果がかろうじて効いていてリスク(年額)も小さいのであせらず私のライフサイクルにあった最適ポートフォリオを探して行きたいと思っています。基本的には年齢とともに安全資産を増やして運用することになると思います。


追加:
さて、水瀬さんのコメント欄で色々コメントありましたが、私は以下の感覚がベストかなと思いました。

このような事例では?

どちらも感覚的にはよく分ります。
もう決着がつきましたね。
1年間で年率+70%~-20%になるのならば、1.7/0.8=2.125倍
30年後に年率+25%~+15%になるのならば、1.25^30/1.15^30=12.20倍になります。
マルキール氏の言っているリスクは1年間では90%にも達しているのに対して山崎氏の言っているリスクは2.125倍
マルキール氏の言っているリスクは30年間では10%と縮小しているのに対して山崎氏の言っているリスクは12.20倍と拡大しています。
だから、マルキール氏の言っている事と山崎氏の言っている事は共に正しいです。
ともにリスクをどのように定義しているかだけの違いです。                投稿者 タカちゃんさん



結論
マルキーニ氏のリスクは正しくはリスク(年率)である。
    山崎氏のリスクは正しくはリスク(年額)である

「長期投資でリスク(年率)は縮小する」
長期投資でリスク(年額)は拡大する」
1年間で 
リスク(年率)が90%(リターン(年率)が+70%~-20%)なら、リスク(年額)は1.7/0.8=2.125倍 
30年後で
リスク(年率)が10% (リターン(年率)が+25%~+15%)なら、リスク(年額)は1.25^30/1.15^30=12.20倍
また、計算した結果上記記事で書いていたリターンがプラスで高い前提は必要ありませんでした。

参考:ファンドの海
http://www.fund-no-umi.com/blog/2011/01/post-411f.html
一括投資でも積立投資でも年々リスク(年額)が拡大していっているのが分かります。
同時にリスク(年額、年率)、リターン(年率)ともに一括投資の方が高くなることが分かります。



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